《目次》
1.不整脈で苦しんで十数年・・・
2.青天の霹靂(主治医がいなくなる…)
3.ジニアス去りし直後、ノーマルとの出会い
セカンドオピニオン。
もう既に聞きなれない言葉ではないかと思います。
そうです。主治医以外の医師の意見を訊くということですね。
主治医と信頼関係が築けていて、かつ診療方針に異論がなければ、
セカンドオピニオンなんかとは無縁だと思いますが、
主治医の示した診療方針に疑問を感じた場合、
他のお医者さんに意見を訊く機会を設けるのです。
さて、私の場合ですが。
・主治医と信頼関係が築けているか → ▲
・主治医の示した診療方針に異論はないか → ×
ということで、この度セカンドオピニオンを受けることになりました。
1.不整脈で苦しんで十数年・・・
仕事でストレスがかかっていた時期に、プライベートでも深刻なストレスがあり、
そんな日々の中で突然不整脈の発作が発症しました。
頻脈発作(ひんみゃく)といって、1分間に脈拍が200回以上(酷い時は300以上)
になり、全身に冷や汗、ハアハア息切れ、スーッと血が引いていく感じで、
しゃがみこまずにはいられなくなる時もありました。
突然収まって今度は徐脈発作(じょみゃく)。
これは逆に1分間に脈拍40を切る感じです。
フツーにやばいですよね。身体にも大分こたえます。
その後、子供を産んでから急激に症状は悪化し、とうとう病院のお世話になることに。
不整脈の中でも『心房細動』といわれるものでした。
その病院に辿り着くまでに長年の間頻拍発作が起きており、
これはもう手術しかないということで手術。
そのわずか1カ月後に今度は別の場所から不整脈が起こり、
今度は『心房粗動』と言われました。
それも手術でしか完治はしないと言われ、手術。
私の不整脈は「持続性」で「難治性」ではないかと言われました。
まあ、ここまではいいのです。
この時にかかっていた主治医(仮に敬意を込めて「ジニアス先生」としましょう)は、
私にとっても家族にとっても、理想のお医者様でした。
初めは、若いし、なんだか自信過剰な感じに見えたし
(それはそれで何だか面白かったんですが)、
ん? ジニアス先生って大丈夫かな? なんて思うこともありました。
ところが接していくにつれ、ジニアス先生の真剣さや探求心の強さ、研究熱心なところ、
患者を通り一辺倒に診ずに、ひとつひとつの問題、患者の症状や意向を
深く考えてくださる先生だということがわかっていきました。
なぜそんなことわかるんだよって?
真剣な人間というのは、目や態度を見ればやはりわかるものです。
まあ、わたくしの年の功ともいいます。
ジニアス先生は自分の手術の腕にも技術とプライドを持ってらして、
術痕も全然わからないし、術後には「これ以上ないというくらい上手くいきました」
と言ってくださいました。
いや、これって言えます? フツー。
何か起こった時のために保身で……なんて考えてないんですよ。
これってすごくないですか?
今まで最大限に努力して、自分の仕事に責任をもってきた人間にしか
吐けない台詞だと思いました。
そしてジニアス先生から手術して頂いた後は、大げさな表現ではなく、
身体に羽が生えたような軽さになりました。
あまりにも長い間調子悪いのが常態化していたので気付いてもいなかったのですが、
健常な人はこんなに楽に動いているんだなと驚いたものです。
自分が長年苦しんでいたこと、病気だったことなど、すっかり忘れてしまいました。
ああ……。ほんと~ぅに、ジニアス先生のことを信頼していたのです。
2.青天の霹靂(主治医がいなくなる…)
とうことで、全幅の信頼を置いていた主治医・ジニアス先生ですが、
何と移動になってしまうということがわかったのが昨年の2月。
彼のように若手の先生の系列病院への移動というのは珍しいことではないらしく、
3年から多くて5年の間で移られて行くということらしいです(ジニアス先生は
5年いらしたそうです。そうですよね。こんな優秀な先生を手放すのは惜しいですもの)
さて。それを聞いた時の私の気持ち、わかります?
どおぉぉぉぉ~ん!!
ですよ。
なんていうか、寄る辺ない小舟、親を見失った子供、知らない外国にぼっち、
家賃滞納してるのにリストラ、飛行機に乗ってたらエンジン止まる、
上手い言葉が見付りませんが、心細くて心細くてたまらない。
冗談ではなく泣きそうになりました。
申し訳なさそうにされているジニアス先生にすがりつき(妄想)、
本気でジニアス先生の個人の連絡先を聞き出そうと迷う自分がいました
(気持ち悪いのでやめましたが……)。
3.ジニアス去りし直後、ノーマルとの出会い
ジニアス先生は去りました。
なんと、その直後に大きな持続性の頻脈発作が起こります。
彼去りし後、どうしたらいいのか!
そこで救急で対応してくださったのが、
現在の主治医・ノーマル先生(ちょっと失礼)でした。
その流れでノーマル先生が主治医になり、
今度は『心房頻拍』という診断を頂きました。
ジニアス先生の手術は2度とも成功しており、
別の箇所からの発生ということでした。
そして手術。
このノーマル先生、悪い先生ではないのですが、何だかポカが多い。
薬の処方の日付を間違えたり、言ったことを微妙に覚えていなかったり、
ジニアス先生が言っていないことをジニアス先生が言ったと主張してみたり。
手術は上の先生がやってくれるので、と言っていたのに、
直前で自分が担当になったと言ったり(この時は本当に不安になりました)。
しかし、結局患者って医師にお任せするしかないという結果になってしまう。
だってさ、「え~、あなたじゃ不安なんですが」って言いにくいですよ。
私の手術日 “上の先生” は研修会があってダメになったとか……。
そこも不信感が生まれた原因かもしれません。
スケジュールくらいちゃんと把握してろよと思ってしまいました。
そして術後驚いたのが、術痕がげちゃげちゃだったこと。
下着のラインで通常見えない部分なのでいいっちゃいいのですが、
やはり私も女性です。
ギザギザのかぎ裂きのような傷が肌に残ったのには、
正直哀しいものがありました。
前主治医のジーザス先生は、あ! ジニアス先生でした。
まじで間違えました。
想いの強さが彼を神のレベルにまで上げてしまったようです。
ジニアス先生は、あんなにきれいに手術してくれたのに……。
それに、術後の体調にも大きな違いがありました。
息苦しさがなかなか取れない。
術後1週間経ってもなかなか調子が良くならない。
脈拍がずっと90以上(ヘタすると105/分とかでした)
ジニアス先生の手術の後は、身体が軽くて毎日笑い出したいくらいで、
脈拍は60台で安定し、QOLが大改善したんですよね。
※QOL…Quality Of Life(生活の質、ですね)
比べてはいけないのでしょうが、心臓の手術なので、
やはりいろいろと不安になってしまいました。
実際やってみた!セカンドオピニオン【体験談】~その2~ へつづく
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