依然世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスですが、なかなか良いニュースが
入ってきませんね。
最近よく耳にするのは、
・新型コロナには後遺症がある
・新型コロナには免疫ができない
などのいや~な話。
本当だとすると、かなりやっかいなことです。
《目次》
1.新型コロナの後遺症とは
陰性となり、「新型コロナから回復した」とされる人々の後遺症の報告が
世界中から上がってくるようになりました。
厚生労働省でも、後遺症の実態を調べる研究を開始するそうです。
コロナ元患者2千人の後遺症調査 厚労省、8月から実施
https://www.asahi.com/articles/ASN7B5FH6N7BULBJ00C.html
現時点で言われている新型コロナの主な後遺症症状として、
・全身の倦怠感
・発熱
・胸苦しい
・呼吸がし辛い
・動悸
・食欲不振
・判断力や集中力などの低下
・めまい
……などなど。その他にも細やかに症状があるので列挙し切れないほどです。
特に「倦怠感」と「呼吸苦」は多く現れるそうです。
人によって、様々の症状に苦しんでおられるのですね。
苦しい思いをしてやっとのことで退院してきたのに、その後も辛い症状に悩まされて
社会生活もままならない方々が増えているのです。
2.もしかしたらうちの子も……
そこで気になるのが、自分の子供のこと。
この6月にやっと学校が再開されて、その生活にも少しずつ慣れてきた我が子ですが、
学校という集団生活の中、どんなに学校が防疫に心を砕いてくださったとしても、
絶対に新型コロナに罹患しないとは言い切れません。
こんな世の中になってしまいましたが、親が子供にできるのは、
祈ることと、正しい情報を多く手に入れることくらいしかありません。
もし子供が実はとっくに罹患していて、しかも治っていた……(その場合は私たち家族も
その例には漏れませんが)、しかし後遺症が出たとしたら、それを正しく判断することが
できるでしょうか。
そもそも、罹患しても無症状で回復した患者に「後遺症」というものは
存在するのでしょうか。
…………はい。実は、存在するらしいのです。うそ~……。
3.新型コロナ無症状の後遺症とは
新型コロナの症状が顕著な患者さんが後遺症に苦しむというのは聞き及ぶ話です。
新型コロナに罹患すると、重傷者などの場合特に、内臓や血管などへのダメージも多いため、
完全にダメージから回復するもの時間がかかりそう……というイメージがありました。
それに “無症状 ” の患者に「後遺症」というのは何だか納得できないというか……。
ところが現在、耳鼻科や内科クリニックなどに、
無症状で回復後に後遺症が現れている
と思われる患者さんが増えているらしいのです。
新型コロナ、重篤な後遺症の報告多数 一生苦しむ恐れも
https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/200612/lif20061211370016-n2.html
新型コロナの8割は軽症か無症状であり、多くの人は、自分が感染したことに気づかず回復する。(中略)
新中野耳鼻咽喉科クリニック院長の陣内賢さんが指摘する。
「(中略)微熱や倦怠感、胸の痛み、息苦しさなど多彩な症状が1か月以上続いていると訴える患者さんが目立っています。確証はありませんが、そうした患者は新型コロナに感染したのに無症状のうちに回復しており、その後遺症としてさまざまな症状が出ていると考えられます」(NEWSポストセブン/6月12日)
自覚もないままに、ある日突然おかしな症状があれこれ現れる……。怖いです。
なぜこんなことになっているのでしょうか?
4.新型コロナ後遺症の原因(サイトカインストーム)
いわゆる感染症に罹患すると、それを退治するために体内で免疫系のシステムがウイルスを攻撃・排除しようと働きます。
その際に免疫が暴走して正常な細胞を攻撃してしまうことを、
サイトカインストーム(免疫暴走)
と呼ぶそうです。
頑張りすぎて突っ走っちゃったということですね。
しかしこの免疫系システムはいわゆる私たちが言う「免疫」とは違うのです。
5.そもそも免疫とは?
(体液性免疫・細胞性免疫)簡単解説!
一般的に「免疫ができる」というのは体内に「抗体」がある 状態を示しますよね。
この一般的な認識の免疫は、「体液性免疫」と呼ばれるものです。
体液性免疫とは
体内にウイルスが入って来たらそのウイルスを捕まえて情報解析をし、そのウイルスをやっつける抗体をたくさんつくり出す仕組みのことです。
つくられた抗体は体液を通じて全身にめぐり、次回同様のウイルスが侵入して来た時にはやっつけることができます。
これが私たちの考える「免疫ができる」ということです。
ところが、後遺症の原因であるサイトカインストームを引き起こしてしまう
「細胞性免疫」は私たちが考えるものとは違うようです。
細胞性免疫とは
免疫系の細胞自体が “直接” ウイルスを攻撃・排除します。
体液性免疫とは異なり、ウイルスを攻撃するために抗体をつくり出すわけではない
ので、一般的に言われる「免疫ができる」ということにはなりません。
わかり易い例で言うと、
「がん細胞」や「移植された臓器」なども攻撃の対象となり得ます。
体液性免疫が抗体をつくり出したりして戦略的なのに比べ、
細胞性免疫は力で物を言わせる ような直情的な感じでしょうか。
この喧嘩っ早い免疫システムがサイトカインストーム(免疫暴走)を引き起こしてしまう。
こうした暴走は、例えば肺の炎症がひどい患者さんなどに多く見られるものですが、
それが無症状で細胞性免疫によって回復した患者にも起こってしまうのです。
6.サイトカインストーム(免疫暴走)の原因
なぜサイトカインストームが起こってしまうのか。
残念ながら、現時点では原因は不明です。
ただ、なりやすい人というのはやはり高齢者、基礎疾患のある方 と言われています。
しかしながら、後遺症の症状に悩まされている人は若い世代にも着実に増えており、
これはどの人にも他人事ではない問題ではないかと思います。
まあ、それでも若い人は比較的少ないというのは確かなようですが。
基礎疾患のある人は年齢的に若くても要注意。
以下が厚生労働省が示す基礎疾患の一覧になります。
しっかりと確認して、新型コロナウイルスの予防に努めましょう!
基礎疾患とは
1.慢性呼吸器疾患
2.慢性心疾患(高血圧を除く)
3.慢性腎疾患
4.慢性肝疾患(慢性肝炎を除く)
5.神経疾患・神経筋疾患
6.血液疾患(鉄欠乏性貧血と、免疫抑制療法を受けていない特発性 血小板減少性紫斑病・溶血性貧血を除く)
7.糖尿病
8.疾患や治療に伴う免疫抑制状態
8-1悪性腫瘍
8-2関節リウマチ・膠原病
8-3内分泌疾患(肥満含む)
8-4消化器疾患
8-5HIV感染症・その他の疾患や治療に伴う免疫抑制
9.小児科領域の慢性疾患
(厚生労働省) 7.コロナ回復後に免疫が消える?
7.コロナ回復後に免疫が消える?
一度罹患すれば免疫が獲得されるので二度は罹患しない。
そんな希望があった数ケ月前はまだ良かったかもしれませんね。
これは新型コロナウイルスには通用しない話らしいです。
回復後数か月経つと抗体が減少してしまう というのです。
新型コロナ3カ月で抗体減少なら…集団免疫とワクチン効果は“風前の灯火
新型コロナの抗体は3カ月しかもたない――。こんな研究結果が明らかになった。スペイン保健省が発表した。 スペイン保健省は、同国の7万人を対象に3カ月にわたって3回の抗体検査を行った。1回目の抗体検査で陽性、つまり体に抗体ができていた被験者のうち14%は3回目で陰性となった。抗体は3カ月で減少することが判明したのだ。 中国の重慶医科大学などの研究チームも6月半ば、同様の論文を発表している。それによると、感染後3~4週間経つと80%の人から抗体が確認された。しかし、いったん抗体が検出された人でも、退院から2カ月後には、症状があった人の96・8%、無症状の人の93・3%は、抗体が減少していた。このことから「コロナ抗体は2、3カ月で激減する」と報じられた。(日刊ゲンダイDIGITAL)
抗体を体内に保有できるのは、長くて3カ月ということになるようです。
ということは、スウェーデンなどの集団免疫を目指していた国はどうなったのか。
下記に記事を発見しました。
<人口100万人当たりで換算すると、感染者数も死者数もアメリカと並んで世界屈指の惨状>
新型コロナウイルス対策でロックダウン(都市封鎖)を行わず、集団免疫戦略を取るスウェーデンで6月17日、約1カ月ぶりに1日の死者が100人を超えた。19日時点で感染者数は5万6043人、死者数は5053人に上る。人口100万人当たりで換算すると、感染者数も死者数もアメリカに並び世界最高レベルに達している。(NewsWeek日本版/6月23日)
そういう結果になってしまいますよね……。
この犠牲が後に役立てばまだ良かったのですが。
当初から荒療治的なことは言われていましたが、個人的にはスウェーデンには
成功して頂きたかった……。
人間はウイルスに打ち勝って、自らの身体の力で撃退法を獲得した、
という形になって欲しかったのです。
本当に残念です。
そして、本当に怖いウイルスなのだと改めて思いました。
8.ワクチンができてから
前項のように(体液性)免疫が獲得できないとなると、ワクチンによる罹患予防は
どうなるのでしょうか。
ワクチンには大きな期待が寄せられていますが、その効力は3か月ということに
なりそうです。
現時点でもインフルエンザの予防接種というのはありますよね。
そして、その効力は6カ月と言われています。
そもそもインフルエンザウイルスとは寒い季節に流行しますので、
流行前に接種して6カ月もすれば冬は過ぎ去り、ワクチン抗体もお役御免。
そういうことで年1回の接種で事足りています。
しかし新型コロナウイルスは現時点(7月14日)でもガンガン元気です。
湿気に弱いなども言われていましたが、今のところそれも怪しい感じ。
ということは、絶対に罹患したくないとなれば、3カ月ごと年4回の接種が
必要になってきます。
これはもう、国レベルの対策が必要になってくるでしょう。
国が3カ月ごとに全国民に接種を受けさせるようにする。
それしかないのでは?
9.コロナとともに(まとめ)
コロナと共になんてほんっと嫌ですけど、こうなってしまっては
以前の生活を懐かしんでばかりもいられません。
この時勢で生きていくのだという覚悟と柔軟さを手に入れるしかないのですね。
考えてみれば、人間は過去にもいろいろな生命の危機的状況にさらされてきました。
例えば直近で似たような状況といえば、「スペイン風邪」。
スペインかぜ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%8B%E3%81%9C
1918年1月から1920年12月までに世界中で5億人が感染したとされ、これは当時の世界人口の4分の1程度に相当する。その中には太平洋の孤島や北極圏の人々も含まれた。死者数は1,700万人から5000万人との推計が多く、1億人に達した可能性も指摘されるなど人類史上最悪の感染症の1つである。アメリカ合衆国ではパンデミックの最初の年に平均寿命が約12歳低下した。 ( Wikipedia)
戦争があったり、現在と事情の違う部分もありますが、
現代の医学よりもはるかに未発展の医療で立ち向かったことを考えると、
当時の人々の混乱と絶望は想像に余りあるものがあります。
物資供給自体が望めない中、情報も少なく、対処法も知らないまま犠牲になった方々は
甚大な数だったことでしょう。
一方、現代に生きる私たちには、こうして情報も入りますし、時々刻々と対処法や
医療の情報なども入ってきます。
なんだかんだ言って、昔よりゃまし、です。
それに、私たちホモサピエンスは、地球上に巻き起こったあらゆる過酷な状況を勝ち残った
強い種族です。きっと勝てる!
壮大な話にして逆に現実逃避の感もありますが、事実は事実っす。
今、地球上のすべての人々は、同じ時代に同じ問題に立ち向かう仲間だといえます。
自暴自棄にならず、助け合って、何とか乗り切る道を模索していきたいですね!
10.自分の身は自分で守ろう!
マスク・手洗い(アルコール消毒)・うがいは今まで通りしっかり、しっかりやりましょう。
やってなかった人(日本人には少ないと信じてますが)もしっかりやりましょう。
その上で、自分の身体を内側から健康にして、免疫力を高めるのも大事ですね。
免疫学の観点で新型コロナウイルス感染症の予防を考える ~ 音楽健康福祉士の皆様へのアドバイス ~
http://www.nijinokai.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/04/32d951d05712222bd262c3b1c311a156.pdf
(前略)
(5)ウイルスを撃退する生体防御力を高める方法と粘膜)面を保護する方法について 今回の新型コロナウイルスの抗ウイルス薬や予防に効果的なワクチンが開発されて いない現時点で重要なことは、ウイルスを撃退する生体防御力を日頃から高めておくこと であり、そのために大切なことは以下の諸点と考えています。 (a) ウイルスを撃退する免疫細胞を活性化する物質を含む食材を摂取すること ウイルスを攻撃する生体防御能を向上する食品として、ヨーグルトなどの乳酸菌食品、 コンブやワカメ、モズクなどの海藻類、シイタケやナメコ、マイタケなどのキノコ類、バ ナナなどの果物、ポリフェノールを多く含む緑茶やシソ、ニンニクや玉ねぎなどの淡色野 菜などがあります。 (b) ストレスを軽減する生活を送ること (中略)ウイルスを攻撃するリンパ球の機能が低下することになりま す。したがって、交感神経にブレーキをかける副交感神経刺激作用のある音楽に聴き入る ことや熱くないお風呂にゆったりつかること、アロマによってリラックスすること、そし て7時間前後の睡眠をとること、などを是非とも心がけてほしいと思います。 (c) ネバネバ成分が含まれる食材を摂取すること 交感神経優位な状況下では、身体の分泌能力が低下するため、皮膚や消化管の粘膜面 が乾燥してきます。特に、呼吸器への感染を引き起こすコロナウイルスは呼吸器粘膜の上 皮細胞から体内に侵入するため、乾燥粘膜はとても危険です。そこで、長芋や蓮根、オク ラ、モロヘイヤ、アシタバ、納豆などネバネバ成分を含む食材を大いに摂取して、乾燥し た粘膜面にバリヤーを構築させて、ウイルスの侵入を防いでほしいと思います。 (d) 身体を冷やさないこと ウイルス感染細胞を攻撃するリンパ球機能は体温が低いと低下します。したがって、 身体を冷やさないように温めてほしいと思います。 (6)「予防は治療に優る」を大切に 昔から「予防は治療に優る」と言われています。皆様、どうぞ、新型コロナウイルスに 負けない心身を日頃からつくり、健康 に過ごして頂きたいと思います。
( 和合治久(埼玉医科大学・元教授、埼玉医科大学短大名誉教授、理博) )
ほんの少し前に、納豆が免疫機能を高めるというのがテレビでやって、
品薄になったりしていましたが、一般的に身体に良いといわれてきた食品を偏らずに
まんべんなく摂っていくことが大事ですね。
いや~。スタンダードが一番正解。
しかも、自分の身体を労わることが周囲の人の健康と安全にも繋がるという。
わかっちゃいたけどなかなか実践してこなかった人たち(私含め)、
これを機に、利他的観点から自己愛を実践してはいかがでしょうか。
コロナに負けるな!(←超スタンダード)
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