アメリカ人はどうしてあんなにマスクを嫌がるの?~その1~

時事

※日本人から考えると本当にとんでもない話なので、イライラしたくない人は読まない方がいいかもしれません。

 

米国1日の感染者数6万人超!

なんで~? アメリカの1日のコロナ感染者数がなんと6万人を超えるという事態になりました(7月7日 米国時間)。ついこの間5万人超えと言っていたかと思ったら、あっという間に6万人超! 

日本ではこの数日200人超え(日本全国での総感染者数/日。7月9日時点)となり、第一波がまだ引き続いている、もしくは第二波の到来、などと連日マスコミが騒いでいますが、アメリカの現状と比較するとノープロブレム! な気分になってしまいます。 

何というか、6万超という数字を前にしては、200人なんて数字は誤差の範囲に感じてしまいますね。 

もちろん、それによってパア~ッとマスク取って街へ繰り出すなんてことは殆どの日本人はしませんが……ね。 

 

 

日本人にとってのマスク 

日本では新型コロナ以前から、風邪を引いたら人様にうつさないように配慮するというのがほぼ常識。

なので、マスクに対する抵抗感はあまりないように思いますし、ましてやこんなご時勢となっては、大人から子供まで殆どの人々が、自分や自分の周りの人のことを考えてしっかりとマスクの着用をしています。 

インフルエンザの流行する季節には、万が一感染して家族にうつしたくないという予防の観点からマスクを着用している人も普通にいます。 

そしてこれは一般論から外れてしまうかもしれませんが、人と話す時にマスクをしていると緊張しなくて済むとか、メイクをするのが面倒な時に着用するとか、そういった特殊なケースも含めて日本人にはマスクは馴染みのあるものだといえます。 

 

アメリカ人のとんでもマスク事情 

さて。日本では本当に一般的なマスクの着用ですが、これがアメリカの人々にとってはとんでもない大きな問題のようですね。 

あまりにも日本人の常識とかけ離れたアメリカの事例をぱ~っと羅列して概要を見てみると…… 

 

❶自由を求めてマスクを燃やす運動を始める(ノースカロライナ州) 

ノースカロライナ州ローリー市が新型コロナウイルスのパンデミックの間、マスク着用をする取り組みを進めています。

至極当然の話だと思います。

ところがその取り組みは「リ・オープン ノースカロライナ」というグループでひと悶着を起こさせました。

組織のリーダーであるアシュリー・スミスがFacebookで「Burn Your Mask Challenge(マスクを燃やす抗議活動」を発表し、フライパンでマスクを燃やしてデモを行ったのです。

「私たちは義務的なものに反対するグループであり、私たちがあるのは個人の自由と憲法の自由のためです」と彼女はFacebookで述べ、 

さらに動画でマスクが制御のしるしであることを、ほぼ8万人いる Facebook のグループメンバーに話しました。

マスクの箱側面に書かれた「ウイルスの伝染から保護されない」という文言を指摘。つまり、新型コロナウイルスに対してマスクは何の効力もないという主張です。

その後マスクを焼く他のいくつかの動画がソーシャルメディアに上げられました。彼女を指示したグループメンバーが同じことをしたのですね。

疾病管理予防センター(CDC)は、社会的距離が許されない公共の場でのマスクなどの使用を推奨しているのですが……。 

 

はあ~……。これは本当に理解出来ません。 
義務と自由の意味を履違えているのでは……。

今回のコロナ禍でのマスク着用の義務というのは不当な苦役などではなく、自分と周りを守り幸せにするための当然の責務のことだと思います。

マスクをして自分を守り自分の周りの人も守ってください、と言われているだけなのに、それが何の自由の侵害になるのでしょうか。

自分が病んで、周りの人を感染させて、肉体と精神と経済の自由を奪われることの方が余程苦痛だとは思わないのでしょうか。

この女性からは異常な被害者意識の強さが垣間見え、何やら病的な感じさえします。

このコロナ禍の中ただでさえ貴重なマスクをこんな風にして、おかしなパフォーマンスで自己満足するのはあまりにも愚かではないでしょうか…。

それに影響されてしまう人がおられるのにも脱力してしまいます。 

 

❷マスク着用令に「人の言いなりには絶対なるな」(ワシントン州) 

ワシントン州ルイス郡にてマスク着用令が出ました。

それを受け、ロバート・スナザ郡保安官が集まった群衆に向かって言いました。 

「この世のものとは思えないほどの知恵を持つ州知事がマスク着用令を出した。一言だけ自分の考えを言わせてください」「『人のいいなりには絶対なるな』」 

それを聴いていた聴衆はフッフゥ~!の大喝采! 

 

いやいや……。これも脱力系ですね。 

いやいや、ほんと、それカッコイイとこじゃないですよ……。
フッフゥ~! とかもおかしいから。

権力と闘ってる風ですが、保安官、これそんな問題じゃないんですよ…。

前述と丸被りですが、マスクをして自分と自分の周りの人を守ってくださいね、と言われているだけですよね。

条例的な形になるとアメリカ人は途端に反発したくなるのでしょうか。

自分が感染して自分の周りの愛する人も感染させてしまって、最悪自分が死んでしまったり相手を死なせてしまったりする。

今まで自分が大事にしてきた全てを失ってしまうかもしれないこと。

そして、こんなに多くの人に公の立場をもって発言することによって、どのような影響を人々に与えてしまうのかということを慎重に考え、想像力を働かせて頂きたいと切に思いました。

仮にも保安官という立場なら、自分の発言には大きな責任が伴うということをよくよく考えて頂きたいと思います。 

 

❸デモ開催で密集・密接でソーシャルディスタンスなし 

とても有名なニュースとなりましたが、黒人男性ジョージ・フロイドさん(46)が警官に圧迫死させられた事件から、人々が人種差別に抗議して全米各地で大規模なデモを開催。

密集・密接の中、触れ合ったり口々に叫んだり。マスクをしていない人も普通にいます。感染リスクを考えればあり得ない事象です。 

この事件に関してはひと言で語れません。

アジア人も人種差別されますが、差別を受けた経験は、抜けないトゲのように不快な痛みを伴って心に残ります。

自分の持って生まれたもの、自分ではどうにもならないもの、そういったもので差別を受けるというのは悔しいし、とても辛いです。

何かしたわけでもないのに蔑まれる、恐れられる、陥れられる。

〇〇人だからという理由で非人道的な扱いを受けるのはあってはならないことだと思います。 

無念の死をとげたジョージ・フロイドさんには心よりご冥福をお祈りいたします。 

しかし。 

このコロナ禍の中、全米各地で大規模デモというのはどう考えても無謀です。 

「正義の為にコロナ感染の危険を冒して立ち上がったのだ!」 

と言われれば、至極正当な感じもしますが、やはりアメリカの現状を、よくよく、真剣に、考えるべきではなかったかと思います。 

デモ写真を見るに、多くの人々は意外にもマスクをしていますが、たくさんの写真の中にほぼ漏れなくマスクをせずに(恐らく)大声で叫んでいる人、顎マスクの人というのが写りこんでいることに強い危機感を感じました。

興奮して喋り辛くてマスク外しちゃったのかな……。 はあ……。

あなたが選択した命の危険は、同時にあなたの家族や友人、そしてあなたに関わりのある全ての人々に命の危険を冒させるということなのですよ。そういったことに思い至って欲しかった……。

 

❹最初に感染した人に賞金!アメリカのアラバマ州で大学生が感染者を招待して「新型コロナウイルスパーティー」 を開催 

アメリカのアラバマ州タスカルーサでは、大学生が「新型コロナウイルスパーティー」を開いた。

新型コロナウイルスの患者を招待し、 参加者たちは「誰が最初に感染するか」という賭けをしていた。

 彼らはポットにお金を置いて、新型コロナウイルスに感染しようとした。 
最初に感染した人がそのお金をもらうという。 

6月下旬の時点で州内のICUのベッドは82%が埋まっているという中での信じがたいニュースです。 

この人たち、学費を払ってわざわざ教育を受けている意味はあるの? と思わず首を傾げたくなってしまいました。 

何をどうしたらこういったことをしたくなるのか……。 なぜなのか?

記事の中に詳細はありませんでしたが、わざと感染しよう、最初に感染した人に賞金、というパーティーの主旨からして、恐らくはノーマスクでしょうね。 

自国が世界一の新型コロナウイルス感染者を保有していることをわかっているのでしょうか? 

新型コロナウイルスから既に回復した(とされている)人々が、現在重篤な後遺症に苦しんでいることを、この人々は知っているのでしょうか? 

他にも、 

・マスクの真ん中をくり抜いて、「マスクしてますけど、何か?」 

・旅客機の中で口にマスクをせずアイマスク風に目にマスクを当てて睡眠 

・口も鼻も丸見えのスケスケの、糸が粗~くなってる意味のないマスクをわざとする 

・マスクせずに入店して店員から入店を断られたらブチ切れて大暴れ&暴言をする客 

・逆に『マスクしてる人はお断り』の店(しかも『握手OK、ハグ超OK!』という文言も)、 

・子供に紙を持たせて「マスクを外しましょう。神があなたを助けてくれるのですから」というクリスチャン 

・ロックダウンを終わらせよう集会開催。「マスク不要! 子連れOK! 病気でもOK!」 

・マスク着用を拒否する客と口論になったディスカウント店の警備員が銃で撃たれ亡くなる 

……………。 

何というか、大袈裟ではなく、絶句、しますね。 

どういうことによってこんなんなっちゃってんでしょうね。 

特に最後の銃で撃つというのは、もう範疇を超え過ぎて何が何やら……。 

そしてトドメは、ドナルド・トランプ アメリカ大統領が自ら指揮を執る形での7月4日の独立記念日記念イベントの強行。 

トランプ大統領夫妻マスクなし。 

集まった群衆ほぼほぼマスクなし。 

お前ら、経済活動継続させる気はあるのか。 

 

アメリカ人はなぜマスクを嫌がるのか 

では、アメリカ人は何故マスク着用にここまで強い拒否反応が出るのでしょうか。 

どうやら、マスクをしている人間というのは、 

・非常に悪い病気にかかっている 

・口を覆う=不審者のイメージ 

・口を覆うと表情が読み取り辛くコミュニケーションに支障がある 

・弱々しく見えてしまうので嫌(特に男性) 
   ➡これは冗談ではなく、アメリカ人にとってはかなり深刻な問題らしく……、
  「弱々しく見られるくらいなら死んだ方がマシ」というレベルらしいです。
   す、すごいな……

というようなことがあるらしいです。 

そして、 

・「強制される」(強制されたと思う)ことにアレルギーが強い 

という感じでしょうか。 

コロナが流行し始めたアメリカで、マスクをしていたアジア人女性が殴られた事件は、「非常に悪い病気にかかっている」と思われた典型例ではないでしょうか。 

口を覆うのが不審者のイメージ、というのは万国共通かもしれません。が、やはりアメリカの犯罪率は日本の比ではないから仕方ないでしょうね。 

マスクをしていると確かに表情は読み辛くなるのかもしれません。アメリカ人は口を大きく開けて喋りますし(時と場合にもよりますが)、口元の表情が豊かですから、口を隠すというのは確かにコミュニケーションに支障があって然りでしょうね。(目は口ほどに物を言う、目力などという言葉がある日本ではその限りではないのかも?) 

トランプ大統領がマスクしな~い!とやっているのは、大統領として弱腰に見られたくないから。
(追記:何と、とうとうトランプ大統領がマスクを着用しました。/7月13日)

トランプ大統領、ついに公の場でマスク着ける
https://www.bbc.com/japanese/53378787

イメージとしては、キリスト教徒のいい話なんかで、自分が食べるものがないのに人に恵むというようなことを良く聞くのですが、そういった利他的精神は今回のコロナ禍ではまだまだ発揮されていないようです。

「自由の国アメリカ」は、このままでは「自分勝手な国アメリカ」になってしまいそうです。

私はアメリカが好きです。

バカバカしいこともたくさんあったりもしますが、信念を持って突き進む力の強さは、世界でも抜きん出たところがある人々だと思っています。

その無尽蔵なエネルギーを、どうか、自分自身と周囲の人々を守ることに注いで頂けたら……と願わずにはいられません。

本当の自由は、課された責務を果たした者にしか訪れないのですから。

 

アメリカ人はどうしてあんなにマスクを嫌がるの?~その2~ へつづく

コメント